英語の「use to」と「used to」の違いを3分で解決!もう迷わない使い分けルール
「以前はよくジムに行っていたなあ」と言いたいとき、“I used to go to the gym.” だったか、それとも “I use to go…” だったか、一瞬迷ってしまった経験はありませんか?
さらに混乱するのが、「彼もジムに行っていたの?」と質問したいときです。”Did he used to go?” なのか、”Did he use to go?” なのか。学校で習ったはずなのに、いざ会話になると自信がなくなってしまうポイントです。
この記事では、英語初中級者の方がつまずきやすい「use to」と「used to」の決定的な違いと使い分けルールを、文法の仕組みからわかりやすく解説します。これを読めば、もう迷わずに自信を持って会話できるようになりますよ。
「以前は~した」という過去の習慣や状態を表す際、肯定文では「used to」とするのが正しく、「use to」は誤りです。
ただし、「did」を用いる疑問文や否定文では、原形の「use to」になります。
また、似た表現の「be used to + 名詞/動名詞」は「~に慣れている」という意味であり、用法が全く異なります。
文法的な役割と意味の違いを整理して覚えましょう。

結論:「use to」と「used to」の決定的な違い
まずは結論から押さえましょう。この2つの使い分けは、**「肯定文」か「それ以外(否定・疑問文)か」**で決まります。
最も重要な基本ルールは以下の通りです。
- 肯定文(普通の文)の場合:
used toを使う- 例:I used to play tennis.(以前はテニスをしていました。)
- 否定文・疑問文の場合:
use toを使う- 例:I didn’t use to play tennis.(以前はテニスをしていませんでした。)
- 例:Did you use to play tennis?(以前はテニスをしていましたか?)
シンプルに言えば、**「過去の話(肯定文)なら d がつく」「Did が出てきたら d は消える」**と覚えておけば、会話の9割はカバーできます。
なぜ形が変わる?文法の仕組みをわかりやすく解説
「なぜ肯定文だと d がついて、疑問文だと消えるの?」と不思議に思うかもしれません。この理由を理解しておくと、丸暗記しなくても自然と正しい形が出てくるようになります。
「助動詞」としての役割
ここでの used to は、「以前は~したものだ(今はしていない)」という過去の習慣を表す助動詞的な役割を持っています。
英語には**「過去を表す要素は一度だけでいい」**という鉄則があります。
- 肯定文の場合:”I used to smoke.”→ ここでは used の「d」が過去を表しています。
- 疑問文・否定文の場合:”Did you use to smoke?” / “I didn’t use to smoke.”→ ここでは Did(Doの過去形)がすでに「過去のことですよ」と宣言しています。そのため、後ろに続く動詞は原形(元の形)である use に戻るのです。
これは、”I played tennis.”(テニスをした)を疑問文にすると “Did you play tennis?” に戻るのと同じ理屈です。
ライターからのアドバイス:
実はネイティブスピーカーでも、SNSなどのカジュアルな書き込みでは “Did you used to…?” と間違って書くことがあります。発音がほとんど同じだからです。しかし、テストやビジネスメールなどのフォーマルな場ではミスと見なされるので、私たちは基本ルール通り「Did の後は use」と覚えておくのが安全です。
注意!「be used to」は全く別の意味
学習者が最も混乱するのが、見た目がそっくりな be used to との混同です。形は似ていますが、意味も使い方も全く異なります。
| 表現 | 意味 | 文法的な特徴 |
| used to + 動詞の原形 | 以前は~だった (過去の習慣・状態) | be動詞はつかない。 後ろは動詞の原形。 |
| be used to + 名詞 / -ing | ~に慣れている (現在の状態) | be動詞(am/is/are)がつく。 後ろは名詞か動名詞。 |
比較してみましょう
- 過去の習慣:”I used to live alone.”(以前は一人暮らしをしていました。=今は違う)
- 現在の慣れ:”I am used to living alone.”(私は一人暮らしに慣れています。)
もし会話の中で「あれ、どっちだっけ?」と迷ったら、**「be動詞がいるなら『慣れている』、いなければ『昔の話』」**と判断する癖をつけましょう。
ネイティブに伝わる!発音のポイント
実は、used to と use to の発音は、自然な会話スピードではほとんど同じに聞こえます。これが、リスニングや書き取りを難しくしている原因の一つです。
- used to: /juːst tu/ (ユーストゥ)
- 本来
usedは「ユーズド」と濁りますが、後ろにtoが続くと濁らず「ユース」となります。
- 本来
- use to: /juːs tu/ (ユーストゥ)
- こちらも同じく「ユーストゥ」です。
つまり、発音で区別しようとする必要はありません。
会話のコツとしては、”used” と “to” を区切らずに、”use-ta”(ユースタ) と一息で言うように意識すると、一気にネイティブらしい響きになります。
(例:アイ・ユースタ・ゴー・ゼア / I used to go there.)
実践クイズ:あなたならどう使う?
最後に、理解度チェックのためのミニクイズです。空欄に入るのは used to と use to のどちらでしょうか?
- I ( ) drink coffee every morning, but now I drink tea.(以前は毎朝コーヒーを飲んでいたが、今はお茶を飲む。)
- Did you ( ) live in Tokyo?(以前、東京に住んでいましたか?)
- She didn’t ( ) like spicy food.(彼女は以前、辛い食べ物が好きではありませんでした。)
正解:
- used to (肯定文なので d がつく)
- use to (Did があるので原形)
- use to (didn’t があるので原形)
まとめ
英語の「use to」と「used to」の使い分けは、理屈さえわかれば決して難しくありません。
- 肯定文なら used to(過去のことは d をつける)。
- 疑問文・否定文(Did/didn’tがある時)なら use to(原形に戻す)。
- be used to(慣れている)とは区別する。
この3つのポイントを頭の片隅に置いておけば、もう会話の途中で「どっちだっけ?」と迷うことはなくなるはずです。ぜひ今日から、自信を持って過去の思い出話に使ってみてくださいね。

